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製造業のWebサイトで「商品が見つからない」を解決する絞り込み検索の実装方法

製造業のWebサイトで「見つからない」が起きる理由
製造業のWebサイトを訪れる顧客の多くは、明確な目的を持っています。「耐熱温度300度以上のOリングが欲しい」「外径12mmのSUS304ベアリングを探している」といった具体的なスペック要件があるにもかかわらず、目的の製品にたどり着けないケースが頻発しています。
その原因は主に3つあります。
原因1. PDF掲載のみで検索できない
製品カタログをPDFのままWebサイトに掲載している企業が依然として多く存在します。PDFはブラウザ上での全文検索が効きにくく、スペック値の比較も困難です。顧客はカタログを1ページずつ確認するしかなく、数百ページのPDFの中から目的の製品を探す作業は大きなストレスとなります。
原因2. カテゴリ階層が深すぎる
製品数が多い企業では、カテゴリを細かく分けて整理しようとした結果、「大分類→中分類→小分類→シリーズ→個別製品」と5階層以上の深い構造になっていることがあります。顧客は目的の製品がどのカテゴリに分類されているか判断できず、何度もトップに戻って別のルートを辿ることになります。
原因3. スペックで横断的に検索できない
カテゴリナビゲーションでは、「材質がSUS304で、外径10〜15mmで、耐熱温度200度以上」といった複数条件の組み合わせ検索ができません。顧客が本当に求めているのは、カテゴリの階層を辿ることではなく、自分の要件に合う製品を条件指定で素早く見つけることです。
絞り込み検索(ファセット検索)とは?
絞り込み検索(ファセット検索)とは、製品の属性(スペック、用途、材質、価格帯など)を複数の条件として同時に指定し、該当する製品だけを表示する検索方式です。ECサイトでは広く普及していますが、製造業の製品サイトではまだ導入が進んでいません。
一般的なECサイトの絞り込み検索は「カラー」「サイズ」「価格帯」といった汎用的な属性で絞り込みますが、製造業ではこれに加えて技術スペックによる絞り込みが重要になります。
例えば、ベアリングメーカーであれば「内径」「外径」「幅」「荷重定格」「回転数」、電子部品メーカーであれば「定格電圧」「定格電流」「動作温度範囲」「パッケージ形状」といった、製品カテゴリ固有の技術パラメータで絞り込めることが求められます。
さらに、製造業では型番の部分一致検索も重要です。型番体系が「基本型番+材質コード+サイズコード+オプション記号」のように構成される複雑な製品では、型番の一部を入力するだけで候補を表示する検索機能が顧客の利便性を大きく向上させます。
製造業に適した検索UIの種類と使い分け
絞り込み検索のUIは、扱うデータの種類によって最適な形式が異なります。製造業の製品スペックに対して、それぞれどのUIが適しているかを整理します。
スライドバー: 数値範囲の指定に最適
外径、内径、長さ、重量、耐荷重、動作温度といった連続的な数値データの絞り込みに使用します。ユーザーはスライダーをドラッグして範囲を指定するため、直感的に操作でき、数値の分布感もつかめます。「10mm〜20mmの範囲で探したい」といった曖昧な条件指定に対応できるのが強みです。
チェックボックス: 複数選択が必要な項目に
材質(SUS304、アルミ、真鍮、樹脂)、表面処理(メッキ、塗装、アルマイト)、適合規格(JIS、ISO、UL)など、複数の値を同時に選択したい属性に使用します。「SUS304またはSUS316のどちらかに該当する製品」という検索が可能になります。
ラジオボタン: 二択・少数選択に
在庫あり/なし、RoHS対応/非対応、カスタム対応可/不可など、選択肢が少なく排他的な条件に使用します。チェックボックスと異なり1つしか選べないため、明確に二択の属性に適しています。
直接入力ボックス: 型番検索・キーワード検索に
型番の一部や製品名のキーワードを直接テキスト入力して検索するUIです。「ABC-」と入力するとABCシリーズの製品が候補として表示されるなど、部分一致検索として機能します。型番体系が複雑な製品群では、この直接入力による検索が最も利用頻度の高い検索方法になることがあります。
これらの検索UIを製品カテゴリごとに適切に組み合わせることで、ドリルダウン検索を実現し、数万点の製品群から目的の製品へ効率的に到達できる導線を構築できます。
絞り込み検索を導入した場合の効果
絞り込み検索を導入することで、製造業のWebサイトには以下のような効果が期待できます。
効果1. サイト離脱率の低下
「見つからない」ことが原因でサイトを離脱するユーザーが減少します。目的の製品にすぐたどり着けることで、サイト内の回遊時間が延び、製品詳細ページの閲覧数も増加します。
効果2. 技術問い合わせの削減
顧客がWebサイト上で自己解決できるようになるため、「この条件に合う製品はありますか?」という電話・メールでの問い合わせが減少します。ある産業機器メーカーでは、絞り込み検索の導入後、技術問い合わせ件数が大幅に減少し、営業チームがより付加価値の高い業務に時間を使えるようになったという事例があります。
効果3. コンバージョン率(CV率)の向上
製品を見つけやすくなることで、見積もり依頼・サンプル請求・資料ダウンロードなどのコンバージョンに至る割合が向上します。特にCAD図面やカタログPDFのダウンロードを製品詳細ページから直接行えるようにすることで、設計段階での採用検討を促進できます。
実装方法の選択肢
製造業のWebサイトに絞り込み検索を導入する方法は、大きく3つあります。
| 項目 | スクラッチ開発 | サイト内検索ツール | パッケージ型 |
|---|---|---|---|
| 概要 | 自社またはSIerが独自開発 | 既存サイトに検索機能を追加 | 商品DBと検索UIをセットで提供 |
| 初期費用 | 1,000万円〜 | 数十万円〜 | 300万円〜 |
| 構築期間 | 6ヶ月〜1年以上 | 1〜2ヶ月 | 最短2ヶ月 |
| スペック検索 | 自由に設計可能 | 全文検索ベース(スペック絞り込みは困難) | スライドバー等を標準搭載 |
| 商品DB | 自社で設計・構築 | 既存サイトのHTMLを検索 | Excelインポートで構築可能 |
| 運用・更新 | エンジニアが必要 | 既存サイトの更新に依存 | Excel更新→再インポート |
| CAD/PDF対応 | 個別開発が必要 | 対応困難 | シリーズ単位で登録可能 |
| デザイン | 完全自由 | 検索窓のみ追加 | ロゴ・カラー等カスタマイズ可能 |
スクラッチ開発
自社の要件に完全に合わせた検索機能を構築できますが、費用と期間が大きくなります。社内にエンジニアチームがあり、独自の要件が多い場合に適しています。
サイト内検索ツール
既存のWebサイトに検索機能を追加するアプローチです。導入コストは低いですが、全文検索ベースのため、スペック値の範囲指定やドリルダウン検索には対応が難しいケースが多くあります。
パッケージ型(商品選定サイト構築)
商品データベースとスペック検索付きフロント画面をセットで提供するサービスです。Excelマスターからデータをインポートするだけで、カテゴリ選択画面からシリーズ詳細、商品詳細までの一連の画面が自動生成されます。スペック絞り込み検索が標準搭載されているため、追加開発なしで導入可能です。
パッケージ型は、スクラッチ開発ほどの自由度はないものの、費用対効果のバランスが最も優れた選択肢です。基幹システムからCSVを出力している場合は、バッチインポート機能で定時自動取り込みを設定でき、手動更新の負荷も最小限に抑えられます。
まとめ
製造業のWebサイトにおける「商品が見つからない」問題は、以下のアプローチで解決できます。
- PDF掲載から脱却し、製品データを構造化する
- スペック項目に応じた検索UIを実装する(スライドバー、チェックボックス、ラジオボタン、直接入力)
- 検索結果から製品詳細・CADダウンロードまでの導線を整備する
あかがねが提供するERAVIDAS(エラビダス)は、商品データベースとスペック検索機能をセットで提供する商品選定サイト構築パッケージです。Excelマスターからのデータ登録に対応し、TOP画面・カテゴリ選択・シリーズ選択・シリーズ詳細・商品詳細の5画面を自動生成。スライドバー・チェックボックス・ラジオボタン・直接入力のドリルダウン検索を標準搭載し、CAD図面やカタログPDFのダウンロード機能も備えています。AWS上で稼働し、初期300万円・月額17万円、最短2ヶ月で導入可能です。
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